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日曜日の産経

平成18(2006)年10月15日[日]

 ベストセラーになっている早坂隆氏の『世界の日本人ジョーク集』に「スープに蠅が入っていたら?」というのがある。そんなときの各国の人々の反応だ。何でも現実と結びつけるのではないが、北朝鮮の核問題を頭の片隅に置いて読むと実に興味深い。

 ▼まず中国人は「問題なく蠅を食べる」。ロシア人は「酔っぱらっていて蠅が入っていることに気がつかない」である。ここらあたりまでは、ジョークの範囲にとどめておいた方が無難だろう。しかし、アメリカ人や日本人となると、にわかに現実味が増す。

 ▼アメリカ人は「ボーイを呼び、コックを呼び、支配人を呼び、あげくに裁判沙汰となる」。いかにも訴訟大国、自らの正義を信じる米国らしい。これに対し日本人は「周りを見回し、自分だけに蠅が入っているのを確認してから、そっとボーイを呼びつける」という。

 ▼最近の北朝鮮への対応はともかく、他国の顔色をうかがい、波風を立てまいとしてきた日本外交への皮肉とも受け取れる。だが最後に登場する韓国人の場合、リアル過ぎてジョークに聞こえない。「蠅が入っているのは日本人のせいだと叫び、日の丸を燃やす」というのだ。

 ▼ソウルでの日韓首脳会談は北が核実験成功を発表した直後に行われた。ところが、まずその問題を取り上げようとする安倍首相に対し盧武鉉大統領は、靖国問題などに固執しようとしたのだという。北の核より日本の歴史認識の方が脅威であるかのようだったそうだ。

 ▼さすがに、盧大統領も国連の制裁決議は受け入れるという。しかし「北の理解者」としての立場にはまだ未練がありそうだ。そのうち、ジョークではなく「北が核を持つのも日本帝国主義のせい」という声が起きるかもしれない。

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