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スクープと誤報は紙一重

今朝の産経から

【産経抄】

 「利上げへ最後の詰め」と17日付朝刊で大見出しを打った朝日新聞(東京)だけを読んでいる人は、面食らったことだろう。日銀はきのうの金融政策決定会合で、追加利上げ見送りを決めた。

 ▼鈍い個人消費の勢いと企業業績の改善のどちらを重くみるか。9人の政策委員の判断は据え置き賛成6、反対3と分かれたが、記事にあったように「政府も利上げを容認」していたわけではなかった。

 ▼もっと大胆だったのは、毎日新聞だった。先週末に「日銀0・25%利上げへ」と宣言、市場を驚かせた。スクープと誤報は紙一重。自戒の念をこめて書くのだが、記者の思いこみほど怖いものはない。

 ▼それよりもこの新聞で首をかしげたのは、自民党の山崎拓元副総裁と拉致被害者である蓮池薫さんの兄、透さんとの会談記事(18日付)だ。透さんは山崎氏の訪朝を評価し、「一つの風穴を開けた。弟も喜んでいる」と語ったとある。記事では「安倍政権の対北朝鮮『圧力』強硬路線に、被害者家族から疑問符が付けられた」とご丁寧に解説している。

 ▼案の定、薫さんは「自分(薫)が喜んでいるとの報道がなされていますが、そのような事実は一切ありません」とのコメントをきのう発表した。「それは北に利用されるだけであると考えています」と怒っている。

 ▼山崎氏と透さんの会談には平沢勝栄内閣府副大臣も同席していたという。テレビで思わせぶりな発言を繰り返す平沢氏は、山崎氏の代理人なのか、安倍内閣の一員なのか立場をはっきりさせてほしい。後者の立場なら拉致問題に首をつっこまず、中山恭子首相補佐官に任せ、本業に力を入れられてはいかがだろうか。「二元外交」の片棒を担ぐようでは、それこそ北に利用されるだけだ。

(2007/01/19 06:02)

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