期待権とは?
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/yougo-horitu-3.htm
☆期待権☆
条件付き権利や期限付き権利、あるいは、相続開始前における推定相続人の地位など、将来一定の事実が発生すれば一定の法律上の利益を受けることができるであろうという希望ないし期待を内容とする権利(将来、一定の法律上の利益を受けられることを希望したり期待したりできる権利)で、希望権とも、生成中の権利ともいわれ、最近では、入院患者が、適切な治療を受けることで救命を期待する「救命期待権」などが生まれている。
つまり、権利発生の要件である事実のうち、その一部分のみが発生して、他の一個、又は数個の事実が発生しない場合に、将未権利を取得するという現在の期待、あるいは希望状態が法によって保護される状態をいい、条件付法律行為から生ずる権利(民法128・129条)、取得時効完成前の占有者の権利、相続開始前における遺留分権利者の権利などがその典型である。
この権利が侵害されれば不法行為となるが、権利としてどの程度法的保護に値するかはそれぞれの権利によって異なる(期待権に対する法的保護の内容は、期待権の内容によって異なる)。
医療過誤訴訟では、患者が期待した適切な治療を怠った場合に「救命期待権」の侵害が認められ得る。再雇用の期待を抱かせる説明をした雇用主が契約更新をしなかった際、「更新期待権」を侵害したとして賠償を命じられた例もある。
なお、東京で00年12月8日から5日間、民間人によって開催された「女性国際戦犯法廷」についてNHK教育テレビが01年1月30日に放映した「問われる戦時性暴力」と題した番組が、主催者側の意図に反する内容に(実際に放映された番組では、慰安婦らへの性暴力について、昭和天皇と日本国家に責任があると判断した「法廷」の結論などがすべてカットされていた)改変されたとして、共催者の市民団体『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(バウネットジャパン)とその代表側が、NHK側を相手に2,000万円の慰謝料支払いを求めた訴訟の判決が04年3月24日にあり、取材される側が番組内容に抱いた「期待・信頼」は法的保護の対象になると判断、その「期待権」を侵害した場合には、取材者に賠償の責任が生じると判断して、実際に取材にあたったNHKの孫請け制作会社「ドキュメンタリー・ジャパン」(DJ、 東京都港区
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