覚書きの内容 IZAから
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/190143/allcmt/
確かに、今回の問題が生じた背景はいろいろあり、高級官僚も自民党も悪いのでしょう。問題が発覚した時点で政権の座にいた安倍首相が一定の批判を浴びるのも仕方ないと思います。でも、北島氏がいうように単なる労働者いじめじゃあ、ないでしょう。何度が書いてきたように、社保庁で強い影響力を誇り、民主党の支持団体である自治労国費評議会の責任は全く問わないというのも、公正ではないように思います。そこで本日は、社保庁と自治労が過去に交わしていた労働協定である「覚書」「確認事項」の一部を紹介したいと思います。
業務の全国オンライン化計画の実施にあたって、昭和54年5月に社保庁総務会長と自治労国費評議会事務局長とが取り交わした確認事項は、作業基準について7項目を定めています。
《1.端末機操作は、専門職化せず、一般職員が行う
2.端末機の運用時間は、現行の勤務時間内とする
3.窓口装置を連続操作する場合の1連続作業時間は、50分以内とし操作時間50分ごとに、15分の操作しない時間を設ける
4.窓口装置の1人1日の操作時間は、平均200分以内とし、最高300分以内とする
6.端末機の操作にあたり、ノルマを課したり、実績表を作成したりはしない
7.端末機の機種の変更、更新、その他必要な事項については、その都度、事前に協議を行う》
ふんふん、50分働いて15分休憩ということか。それが、昭和63年5月の確認事項では、さらに労働条件が緩和されていました。操作時間も200分から180分へと減っています。なぜでしょうね。
《1.窓口装置を連続操作する場合の1連続操作時間は、45分以内とし操作時間45分ごとに、15分の操作しない時間を設ける
2.窓口装置の1人1日の操作時間は、180分以内とする
ただし、法改正等業務の繁忙時においては、1日270分を限度とし、週平均1日180分を超えないこと》
平成8年6月の、窓口装置で使用するJIS配列キーボードを配布するにあたっての確認事項も興味深いものでした。なんか、社保庁が職員に対して腫れ物に触るように接してきたことが分かります。
《1.現行の50音配列キーボードに加え取り替えが容易なJIS配列キーボードを配布する
2.キーボードの使用については、操作者の判断による選択とし、一方的に押しつけるものではない
3.職業病予防の観点から、45分操作15分休憩、1日あたりの総操作時間、キータッチ数の制限など、覚書を守れる職場体制を確保する
4.キーボードの変更によってもたらされる入力作業量などの点検や労務管理強化は行わない
5.この装置によって、入力業務の民間下請化を進めるものではない
6.今後とも、オンライン関係についての国費協議会からの要求の実現にむけ、誠意をもって対処する》
平成14年10月には、昼休みにおける窓口の対応に関する確認事項もありました。社保庁と自治労との間の覚書・確認事項は計98件にも及ぶので、いろいろなものがあります。
《1.昼休みにおける窓口対応は、地域住民のニーズ、地域の実情等を考慮し、職場で対応できる必要最小限の体制で行うものであること
2.オンライン稼動時間の変更は、現行の勤務形態を変更するものではなく、勤務時間内で対応するものであること
3.休憩場所の確保など環境整備に配慮するとともに、行政の混乱を招くことのないように責任ある対応を図るものであること
4.問題が生じた場合は、別途協議するものであること》
この覚書・確認事項は平成14年11月に破棄されたそうですが、長年の労働慣行は改められずに、まだ続いているのではないかという指摘もあります。きょうはもう時間がないのでここまでにしますが、とにかく、社保庁は何を決めるにも、何を導入するにも「労働強化はしない」「処遇改善に努める」と自治労側に一筆入れて約束しなければならなかったようです。
やっぱり、民間企業では絶対に考えられない大切な扱われぶりだと思うのですが、私の勘違いでしょうか。私は、公務員という存在自体、本当に必要なのかと最近は疑問に感じていますし、公務員改革は国家公務員、地方公務員、教育公務員の区別なく必要だと思うのですが…。
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