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山桃の悲鳴 富浦

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/00354/contents/0032.htm

山桃(やまもも)の悲鳴(ひめい)
 南無谷(なむや)の字(あざ)・故郷地(こごうじ)に、大正(たいしょう)(一九一二~一九二五)の中頃(なかごろ)まで、幹(みき)が大人四人(おとなよにん)で抱える(かかえる)ほどの大山桃(おおやまもも)が生えて(はえて)いました。
 木(き)の所有者(しょゆうしゃ)は、屋号(やごう)・新左衛門(しんざえもん)さんで、毎年(まいとし)おいしい実(み)を付け(つけ)、近く(ちかく)に住む(すむ)人達(ひとたち)を喜ばせて(よろこばせて)いたのですが・・・。しかし残念(ざんねん)な事(こと)に、その山桃(やまもも)は鉄道線路(てつどうせんろ)の敷設(ふせつ)のため、取り除かれて(とりのぞかれて)しまったのです。
 言い伝え(いいつたえ)ですが、山桃(やまもも)を取り除く(とりのぞく)作業(さぎょう)は大変(たいへん)だったようです。大鋸(おおのこぎり)で根本(ねもと)から切り倒そう(きりたおそう)としたのですが、幹(みき)が太すぎ(ふとすぎ)作業(さぎょう)が進まない(すすまない)ため、根(ね)の底(そこ)へ発破(はっぱ)を仕掛(しかけ)け、吹き飛ばす(ふきとばす)方法(ほうほう)でやっと作業(さぎょう)を終えた(おえた)そうです。
 ところが昔(むかし)は、相手(あいて)が木(き)でも残酷(ざんこく)な事(こと)をすれば、不思議(ふしぎ)な現象(げんしょう)が起きた(おきた)ようですね。鉄道工夫(てつどうこうふ)が発破(はっぱ)の導火線(どうかせん)に点火(てんか)した時(とき)、山桃(やまもも)の大木(たいぼく)が突然(とつぜん)「ウオーウオー。」と、大きく(おおきく)鳴り出した(なりだした)のです。その場(ば)に居合わせ(いあわせた)た人達(ひとたち)は皆(みな)びっくりして、この山桃(やまもも)には神霊(しんれい)が宿って(やどって)いるに違い(ちがい)ない、崇り(たたり)がなければ良い(よい)がと身震い(みぶるい)しました。
 やがて大正(たいしょう)の関東大震災(かんとうだいしんさい)が起き(おき)、取り除かれた(とりのぞかれた)山桃(やまもも)の崇り(たたり)かどうか分かり(わかり)ませんが、安房地域(あわちいき)の鉄道(てつどう)の中(なか)では、南無谷(なむや)の隧道(ずいどう)が最大(さいだい)の被害(ひがい)を受けて(うけて)しまいました。
 

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