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裂孔原生網膜剥離

裂孔原生網膜はく離

硝子体出血

http://www7.ocn.ne.jp/~hakuri/ken_tohoku_01.htm

【裂孔原生網膜剥離とは】
 網膜剥離の発症の仕方を年代別にみますと、二方性、つまり60歳代から70歳代と、10歳代から20歳代に二つのピークがあることがわかります。

 これは網膜剥離といつてもタイプがいろいろあって、タイプ別に発性のメカニズムが違うことによります。私の恩師の清水昊幸先生が「清水の5型分類」というものを提唱しました。その外にも分類はいろいろ提唱されていますが、多少の違いはあっても大体このタイプに分けて考えることができると思います。

 分類は、真ん中に孔のある黄斑型、まん中から中央までの円の中に孔のある中間型、端の部分に孔のあるのを二つに分けて周辺部円孔型と周辺部裂隙型としています。鋸状縁の部分、もしくは鋸状縁よりももっと周辺の毛様体に穴の開くこともあるのですが、それも含めて鋸状縁型に分類します。

 私が、自治医大時代に統計を取ってみたのですが。合計1,345名の患者さんを分類してみますと、約半分が周辺部裂隙型タイプ、三分の一が周辺部円孔型で、周辺部に孔のできるのが約8割。その外に中間部型、鋸状縁型、黄斑部型がこの順にあり、わずか1%に裂孔のわからない場合がありました。

 この眼底写真は、大きな裂け目のできた場合です。
よく見ると網膜に白い皺が見え、ギザギザの縁が見えます。この部分は実は網膜格子状変性を起こし網膜と硝子体が非常に強く癒着しているのです。硝子体が剥がれたとき、硝子体と網膜がくっついたままになって、大きく網膜が裂れてしまいました。このタイプが最も頻度が多くて約50%、進行速度は急激です。この場はバックリング手術の適用となます。

 二番目に多いのは、網膜の端に開く周辺部円孔型で、約30%、進行はごく遅く、後硝子体剥離は少ししか起きていない、年齢の若い場合に多いのです。しかし孔の周辺は格子状変性伴っていることが多い。手術は通常のバックリング手術が適応もいようです。

 次の写真は神経乳頭の付近が剥がれている例です。血管沿いに穴が開いて小さな出血がある、非常に奥深いところに孔のある中間型の例です。約9から10%です。BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)は、網膜の血管が詰まってしまう病気ですが、それを伴っていることが多い。また格子状変性がある場合もあります。この場合は穴の位置が奥深いので硝子体手術が第一の選択となります。

 次は鋸状縁型です。眼球を横から撮ったこの写真ではレンズの端にスリット状の孔があいています。これは鋸状縁よりもっと端の毛様体襞部裂孔といい、約7%、高齢者の白内障の術後にこの部分に起きやすいのです。若い人の場合はアトピー性皮膚炎が原因で、目が痒いので始終掻いたり叩いたりするために、この部分に孔の生じることが多いようです。孔が端にあるので裂孔の検出は難しく、時には網膜全体が裂けて、鋸状縁の部分が90度あるいは180度裂けてしまうようなことがあります。90度以上を巨大裂孔といいます。ただし、数は少ないです。

 黄斑型は、黄斑の真ん中に孔が開いているので視力が著しく悪化します。黄斑型は全網膜剥離の約5%で、ほぼ100%が強度近視の場合です。どういうわけか、中年以降の女性に多く、男性では希です。これは治すのが難しいのですが、今では眼の中でする硝子体手術を行って網膜をくっつけて、ガスを注入して治すという方法を取ります。

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TODAY1 ∞ そういう症状があるらしい・・気をつけねば・・・

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