村山談話の腐臭
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081212/plc0812120252002-n1.htm
【産経抄】12月12日
「英語嫌い」を公言する益川敏英さんの反骨精神に、ノーベル賞委員会も脱帽したようだ。NHKのニュースで見た授賞式は、委員が日本人受賞者に対して、「センセイ」と呼びかけ、「心よりお喜び申し上げます」と日本語で祝福の言葉を贈る異例の式典だった。
▼ただ、「お喜び」を「おわび」と言い間違えた現場の記者のおかげで、お祝い気分に水をさされてしまった。ささいなミスをとがめているのではない。何かというと、日本人に「おわび」ばかりさせてきた、村山談話のことを思いだしたからだ。
▼その村山談話に反した論文を公表したことが理由とされた、田母神俊雄氏の航空自衛隊幕僚長解任劇の余波が、まだ続いている。防衛省が、民主党の要請に基づいて、論文を募集したアパグループとの関係について、自衛隊の全職員約25万人を対象に調査を始めたという。
▼すでに防衛省が行っている監察には、自衛官の思想・信条の自由を侵害している、との批判が内部から噴き出ている。どこまで自衛隊を貶(おとし)めれば気が済むのだろう。
▼今年2月、チャールズ英皇太子の次男のヘンリー王子が、アフガニスタン南部の前線で従軍していたことが明らかになり、話題になった。4月には、兄のウィリアム王子が、やはりアフガンの激戦地を訪れ、兵士たちを激励している。危機に際して、王室と政府、国民が軍と一体となる英国と比べてもせんないことだが、自衛隊を政争の具とした政治の罪は重い。
▼この国は、果たして命を懸けるに値するのか、自衛官が自問し始めることを恐れる。文民統制の崩壊とは、世間でいう自衛隊の暴走ではない、と野口裕之記者が書いていた。命令に背いて「出撃しない」という悪夢、という指摘は重い。
TODAY1 ∞ たまたま正論1月号を買って読んでいるが(いまはほとんどWILLで足りるのであまり買わない)、濱口和久さんというかたの防衛大学学長の、五百旗頭イズムの大罪という記事が面白かったので一読を進める。(P94)
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