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タトゥイーンの共依存(きょういぞん)

☆  ☆ 共依存という言葉は、学術的用語でなく、明確な定義はない。当初の定義としては、アルコール依存症患者を世話する家族が、結果として、依存症の回復を遅らせている現象を指した。この状況では、アルコール依存症患者が家族に依存するため、自立する機会を失い、家族もまたアルコール依存症患者の世話をすることに自らの生きがいを見出し、悪循環を生み出していると説明される。

現在では、単にアルコール依存症患者との関係だけでなく、「ある人間関係に囚われ、逃れられない状態にある者」としての定義が受け入れられている。例えば、暴力を振るう夫とそれに耐える妻の関係、支配的な親と愛情を受けたい子供の関係、相手から愛されることが目的となっている恋愛関係などがある。

共依存の原因となる被共依存者は、他者を操作する傾向のある境界性人格障害であるケースが多いが、同様に共依存者も見捨てられ不安のある境界性人格障害であるケースが多い。ただし、健全者でも知らない間に共依存の関係に巻き込まれる事があり、また被共依存者を治療する専門家であっても共依存の関係に巻き込まれる可能性がある。このため治療を行う現場では、患者を診る場合、一歩引いた立場に立って治療するのが通常である。

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