ジャンク・フードはやめられない
【正論】前駐米大使(プロ野球コミッショナー)・加藤良三
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090722/amr0907220254000-n1.htm
≪民主国が直面する脅威≫
故ハーマン・カーン博士はかつて、民主主義国が直面する脅威は「外からの侵攻」と「内からの浸食」であると述べた。昨年アメリカから帰国して、日本ではその一つ、「内からの浸食」が進行しているなと思った。
まず、日本人同士の連帯感、思いやりの心が希薄になった。それと反比例するかのように、「文句」と「他人批判」によって人を「萎縮(いしゅく)」させる達人が多い。これにはマス・メディア、就中(なかんずく)テレビの責任が大きいと思う。
或(あ)るアメリカ人の表現を借りると、マス・メディアは最早(もはや)「インフォメーション」(情報)の提供を使命とせず、「インフォテインメント」(汎娯楽化)の世界と化している。「ジャンク・フード」(粗悪な食品類)さながら、供給する側も、消費する側も、健康に悪いと知りつつお互いにやめられないでいる。
ニュースですら、何についても中途半端な「実況放送」が多い。それを滑舌(かつぜつ)の悪い日本語で伝えられるし、文脈が分からない。「事実報道」といいながら、画面でしゃべる人間が自分の主観らしきものを混入して「世論」を「誘導」し、それに快感をおぼえている。こういうマス・メディアの状況は驚きではないが、子供染みていると感ずる。
TODAY1 ∞ けさの正論からだが、電車の中で読みつつ、そういうTVばっかり見ていると「内からの浸食」が進行する・・・・なるほどねえと思った。
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