本千葉ビル商店街
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本千葉ビル解体へ 県住宅供給公社の本拠
09年度中めどに
2009年03月17日10時56分
県住宅供給公社は二〇〇九年度中をめどに、老朽化に伴い同公社が本拠を構える「本千葉ビル」(千葉市中央区)の解体工事に着手する。事務所・店舗・住宅を備える複合ビルで、地下には昭和の面影を残すレトロな雰囲気の飲み屋街があり、中高年層を中心に根強いファンがいた。解体後の土地利用や公社の移転先は未定だが、公社は「民間の力を借りて建て直しができれば」と話す。
本千葉ビルは一九六二(昭和三十七)年二月に完成。地上五階、地下一階建て、延べ床面積一万一千二百平方メートル。三~五階は賃貸住宅百二十三戸、地下一階~地上二階は事務所・店舗三十八区画を備え、公社は二階に本社を構えている。
築四十七年と老朽化が著しく、二〇〇七年に実施した耐震調査で耐震性に問題があるとの結果が出た。公社は耐震補強を施すか、解体するかの両面を比較検討し、長期的なコストなどを考慮した上で解体を選んだ。
住宅の入居者は今月末、店舗・事務所のテナントは六月末で完全退去する。その後、公社は〇九年度内に解体工事に入りたい考え。十六日現在で住居十、テナント二十が残っている。
敷地は県有地で、一九年まで公社が借地権を持つ。公社は解体後の利用方法については未定とするが、「建て直す場合は公社単独では難しいため、民間の力を借りたい」(総務部)とし、共同事業やPFI(民間資金活用)事業などの手法の可能性も検討していくという。公社の移転先については「六月までに決めたい」(同)とする。
地下の全長約百メートル、幅約一メートルの細い通路に居酒屋、焼き鳥屋、ろばた焼き、スナックなど十数店が並ぶ飲食店街は、昭和の横丁をほうふつとさせる雰囲気。地下飲食店の女性店主によると、この飲み屋街は昭和五十年代がにぎわいのピークだったという。
「昔は飲み屋が並んだ場所自体が珍しく、通行人の肩が触れあってけんかが起きるほど人通りがあった」と女性は振り返る。官庁街に近いことから、県職員や警察官など、比較的“堅い”仕事の男性客の憩いの場として栄えた。
しかし、中心街の空洞化、若者のアルコール離れなどを背景に、近年、活気は陰る一方だった。それでも、中高年層を中心に昔からのひいき客も根強くいた。
今では店主も六十~七十代が中心と高齢化し、解体を機に畳む店も多い。女性店主は「『来る場所がなくなる』『別の場所で続けてくれ』と、お客から惜しむ声をかけられたことがうれしい。いいお客さんがいたから、ここまで続けてこられた」と客に感謝していた。
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