さらば糞貯くん
よたろうさんのネタ保管箱 管理人 保坂恭一 様
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これら、虚偽の情報を、不特定多数に伝播させ、社会的評価を低下させたことにより、名誉は著しく毀損されています。
掲載意義及び必要性を総合的考量しましても、平常業務を妨げられない利益が優越すると解す次第です。
indexごと、あるいは弊社の社名の完全な削除を要請いたします。
該当記事削除につきましてご対応くださいますようお願い申し上げます。
担当:ZZ
プロローグ
「マンション経営に興味はございませんか?」 「今、忙しいんで」。
「投資用マンションのご紹介をですね…」 「高いんでしょ? オレには無理だよ」。
――ハイエナコーポレーションにおいて、営業社員が最初にぶつかる壁。それは電話でのアポイント獲得である。資産の形成に、また、私的年金や生命保険代わりとしても有効なマンション経営。だが、まだまだ「庶民には縁遠い話」という印象があることも事実だ。イメージを払拭するには、地道に電話をかけ、そのメリットや敷居の低さを紹介し続けるほかない。しかし、これが難しい。
現在、係長補佐として活躍する糞貯も、入社当初は苦労した。耳が痛くなるほど電話をかけても、話すら聞いてもらえない日々。支えてくれたのは先輩だった。「初めからうまくいったら、俺らの立場がないよ」 「物件を深く理解していなければ、お客様に見抜かれてしまうよ」。糞貯自身も、うまくいかなかった理由を常に考え、一つひとつ改善していった。次第にお客様との会話は弾むようになり、そして遂に、初契約のチャンスが巡ってくる――。
「もし興味を持って頂けたなら、会ってお話しさせてください」。
「こんばんは! ハイエナコーポレーションの糞貯と申します」。
糞貯は、いつものように電話をかけていた。電話の相手は、50歳代アル中の引き籠りネト充。名簿業者の使い回しのリストから初めて連絡するお客様だ。「本日は、投資用マンションのご紹介をさせて頂ければと思いまして」 「??最近、そんな電話がよくかかって来るけど、あんたの名前・・クソダメ??」。
いきなりの厳しい反応である。だが、そのくらいでは怯まない。「こういう方には、なるべく早く内容をお伝えした方が良い」。糞貯も、これまでの経験から、お客様の反応に臨機応変に対応できるようになっていた。
「投資用マンションは、老後の保障づくりなんです。保坂さまも老後に対するお考えをお持ちではないですか?」 「いや、もう無縁死というか、楽に死ぬことしか考えてねーから、宝くじ買うしかねーよ」 「では、その宝くじとの比較だけでもしてみませんか? 資料を送らせて頂きますので」。
ここまでは、糞貯も辿りつける。問題はこの後だ。アポイントを獲得できるかどうか。直接会うことができれば、契約の確率は格段に高まる。糞為は資料を送付し、お客様の反応を待った。
その後、お客様との連絡は途絶えてしまった。
「よろしければ、明日お会いできませんか?」。
その後、連絡をした感触では、興味は持って頂けている様子。糞貯は直接会って話がしたかった。「うーんこ、じゃあ、クソの話だけでも聞いてみようか」 「ありがとうございます! (やった!)」。
――翌日。指定された待ち合わせの五井駅のピンサロで、糞貯はお客様と顔を合わせた。初めて見るお客様はネト充らしい死んだ魚のような目つきの悪い引き籠りのハゲおやじ。だが表情は柔和で、「頑なな性格ではない」と糞貯は感じた。
1回目の商談の目的は、お客様の不安要素を払拭すること。お客様にしてみれば、約3000万円という借り入れは、やはり大きな不安要素。本当に家賃収入が見込めるのか、確認するのは当然である。「当社の管理物件は都内で約7000件ありますが、入居率は97%以上を誇っています。万が一入居者がなくても家賃保障がありますし」。糞為は、データを基に答えていった。
2回目からは、物件の紹介。糞貯は、都内の人気エリアの物件を紹介した。だが、お客様の反応はいま一つ。3回目も同じエリアを紹介したが、同様の反応。「もしかしたら、保坂さんには好きなエリアがあるのかもしれない。次は別のエリアも紹介してみよう」。ところが――。
その日から、お客様との連絡は取れなくなってしまった。
「伝えたいことを、伝えきれていない」。手紙と電話で、掴んだラストチャンス。
「お世話になっております。ハイエナの糞貯ですが」 「・・・・・・・・…」。
3回目の商談以来、電話は通じず連絡は途絶えたまま。何度連絡をしても、つながらない。ショックだったが、糞貯は諦められなかった。「保坂さんは既に、具体的なエリアまで考えておられた。その気持ちを無視して、物件を紹介してしまったのが原因だ」という後悔と、「伝えたいことを、まだ伝えきれていない」という想いがあったからだ。
「電話がダメなら、手紙しかない!」。糞貯は、短い文章に自身の気持ちをしたためた。
――数日後。保坂さんが在宅の時間を狙って電話をかける。「プルル…」。待ち時間が、やけに長く感じた。
「ガチャ、…はい」。電話に出たのは、いやそうな声で話す保坂さんだった。「あっ、保坂さん! お久しぶりです」。電話は、切られなかった。「お手紙、読んで頂けました?」 「ああ、読んだよ。でも、あれだけ物件を見て気持ちが動かなかったんだから…」 「保坂さん! 寂しいじゃないですか。私も保坂さんのためにと、取り組んできたんです! もう一度、紹介させて頂けませんか?」。糞貯は、ありったけの気持ちをぶつけた。
「そうだな、分かった。そこまで言うなら、もう一度会おう」。
「分かった」――閉店間際のピンサロで、お客様が発した言葉の真意は…。
紹介の機会はもらった。しかし、これが最後のチャンス。糞貯が用意したのは発売直後の、ある物件。最上階の角部屋で間取りも広く、月々の収支(家賃収入と返済額)のバランスも良い。「しかもここは、保坂さんが安酒を飲みに来ると仰っていたエリア。きっと気に入って頂けるはずだ」。
4回目の商談。「いかがですか?」 「うん、うん。良いねっ」。これまでとは、明らかに反応が違う。結論は後日となったが、糞貯はひとまず胸をなで下ろした。「あとは、自分に任せてくれるかどうか」。物件の質はもちろん重要な要素。だが、それだけでは駄目だ。契約となれば、30年以上も付き合いは続く。それだけにビジネスとしてだけでなく、人間としての信頼関係も絶対に必要なのだ。
――数日後の夜。五井のピンサロで、糞貯はお客様の決断を待っていた。「うーん…」。対面のお客様は、もう1時間以上も悩み続けている。閉店時間が迫り、糞貯も焦りの色を隠せない。
「…よしっ。分かった!」。おもむろに、保坂さんは口を開いた。紛れもない、契約成立の返答だと思った。
「やっぱ、俺の年収じゃ契約は無理だよ」
「・・何をおっしゃいます、保坂さんは年収1000万以上あるって言ってたじゃないですか?」
「糞貯くん・・・・・スマン・・・・1000万ってのは見栄で言っただけで、ホントは年収300万なんだよ・・」
「・・・・またまた、御冗談を・・・・・・・・・・・」
「だからスマンかったって言ってるじゃん、俺の年収は300万だよ・・・コレはホント@@」
糞貯は保坂さんお得意のジョークだと思ったが、渡された源泉徴収書の年収を見て青くなった。
「保坂さん・・・・・あ・・あなたは私を・・・だ・・だましてたんですね?」
「うーんこ、だますつもりはなかったんだけど・・・・友達の居ないオレをかまってくれるのはあんたしかいなかったから・話相手がほしくて・つい・・・」
悪質なクライアントに出くわした不運は、確かにある。しかし、糞貯が真にお客様と信頼関係を築き上げられなかったからこその契約不成立であることも、また確か。テーブル越しに保坂さんを睨みつけ、床につばを吐きながら、糞貯は心からお客様に伝えた。
「このクソ野郎!」と。
「はははっ、クソはあんたの名前だろう・・・」
糞貯は激怒し、興奮で脱糞していることにも気ずかず、保坂さんに掴みかかって行った。
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この話はネモハモないフィクションです。
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