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駐留米軍「ほっといて」の日本、「見放さないで」の韓国

20100505b

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100217/kor1002172315003-n1.htm

【ハロランの眼】駐留米軍「ほっといて」の日本、「見放さないで」の韓国

2010.2.17 23:13

 朝鮮半島で戦争が勃発(ぼつぱつ)したら、米韓両国軍のどちらの将校が合同軍を指揮するかをめぐる論争で、両国がぶつかりそうな雲行きだ。米側がそれは韓国であるべきだとしているのに対し、韓国側は同意しつつも、時期尚早だと反論している。

 加えて、在韓米軍は北朝鮮に対する韓国の自衛を支援する用意があるものの、朝鮮半島外の東アジア、いや実のところ世界中における任務に専念し始めた、と米側は韓国側に通知している。韓国側は、米国に見捨てられることを恐れ、重大な疑念を表明している。

 ウォルター・シャープ在韓米軍司令官は最近、演説した中で、韓国防衛を確約すると繰り返している。シャープ大将は同時に、在韓米軍は将来、地域的に関与し地球規模で展開するとも述べている。ほかの将校たちは「遠征作戦」の計画と拠点作りを強調している。

 皮肉にも、日本、少なくとも割と新しいその政府が米国に「去って、ほっといて」と言っているとき、狭い海峡をはさんですぐ向こうの韓国は米国に「去らないで、見放さないで」と嘆願しているのだ。違いはほかにもある。日本での論争が騒々しく公然と行われているのに対し、韓国でのそれはおおむね抑制されている。

 この問題は、北朝鮮、中国と戦った米国、韓国やほかのすべての国の軍が、米将軍率いる国連の指揮下に入った朝鮮戦争(1950~53年)に根差している。それは、韓国が平時において自国軍の指揮を執るようになり、米軍を別にすれば、ひと握りを除いて全外国軍が帰国した94年まで続いた。

 米国は、米軍をほかの所に展開できるように在韓部隊に関し「戦略的柔軟性」を求めている今、韓国が戦時においても自国軍の指揮を執るよう主張している。米国は支援部隊として二次的役割を担うことになる。「それは同盟の進化における次の論理的段階だ」と在韓米軍報道官のジェーン・クライトン大佐は語る。

韓国側は、自らが自国防衛を引き受けるべきだという考えを同じくしてはいても、「われわれはまだ準備できていない」と言う。彼らは、指揮管制システムや情報、兵站(へいたん)の部門を改善する必要性と、北朝鮮のすさまじい脅威を指摘し、米韓合意によって現在、2012年4月17日に設定されている指揮権移譲は、最短でその数年後、最長で無期限に延ばすべきだと唱えるのだ。

 ある韓国当局者は移譲は少なくとも2年間は先延ばしすべきだと静かに、しかし強く論じ、しばしば韓国を相手にしているシンクタンクのさる米国人は「移譲の延期を望まない韓国人将校は一人も知らない」と話す。アジア経験がある米幹部将校は、韓国の反対に留意しつつ、移譲計画は予定通り進めるべきだと強調する。

 先の報道官は「この変化は、韓国軍に対する至極もっともな誇りと、何となく防衛態勢の弱体化に帰結するとの不安がないまぜとなった感情を醸成した」と認めながらも、「そうした懸念は理解できるが、事実はそうではない。韓国軍は高度な能力を持ったプロの軍隊で、軍指導力も傑出している。この新たな機会への用意はできている」と主張する。

 クライトン氏が口にせず、情報に接する将校たちが匿名を条件に語ったのは、北朝鮮の軍は、劣弱であるため、韓国が間違いなく打ち負かせるということだ。ある将校は「損害は甚大だろうが、彼らは負ける。絶対に負ける」と断言した。

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