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やぶ入り

きょうは藪入り

http://ginjo.fc2web.com/124yabuiri/yabuiri.htm

落語「藪入り」の舞台を歩く
  

 

 三代目(先代)三遊亭金馬の噺「藪入り(やぶいり)」によると。
 

                                      
 

   奉公に出て3年目の初めての藪入りの日、
   「藪入りや何にも言わず泣き笑い」。

 

 男親は朝からソワソワしています。いえ、前の晩からです。男親は女房に奉公に出た一人息子が帰ってきたら、ああしてあげたい、こうしてあげたいと、言って寝かせません。
   暖かい飯に、納豆を買ってやって、海苔を焼いて、卵を炒って、汁粉を食わしてやりたい。刺身にシャモに、鰻の中串をご飯に混ぜて、天麩羅もいいがその場で食べないと旨くないし、寿司にも連れて行きたい。   ほうらい豆にカステラも買ってやれ。
   「うるさいんだから、もう寝なさいよ」、「で、今何時だ」、「2時ですよ」、「昨日は今頃夜が明けたよな」。
   湯に行ったら近所を連れて歩きたい。赤坂の宮本さんから梅島によって本所から浅草に行って、品川の松本さんに挨拶したい。ついでに品川の海を見せて、羽 田の穴守さんにお参りして、川崎の大師さんによって、横浜の野毛、伊勢佐木町の通りを見て、横須賀に行って、江ノ島、鎌倉もいいな~。そこまで行ったのな ら、静岡、豊橋、名古屋のしゃちほこ見せて、伊勢の大神宮にお参りしたい。そこから四国の金比羅さん、京大阪回ったら喜ぶだろうな。明日一日で。
   「おっかぁ、おっかぁ、って、うるさいんだから」、「で、今何時だ」、「3時少し回ったよ」、「時間が経つのが遅くないか。時計の針を回してみろよ」。
   「な、おっかぁ」で5時過ぎに起き出して、家の回りを掃除し始めた。普段そんなことした事がないので、いぶかしそうに近所の人達が声を掛けても上の空。

 

   抱きついてくるかと思ったら、丁重な挨拶をして息子の”亀ちゃん”が帰ってきた。父親の”熊さん”に言葉がないので、聞くと喉が詰まって声が出ない。
   病気になった時、お前からもらった手紙を見たら、字も文もイイので治療はしていたが、それで治ってしまった。それからは何か病気しても、その手紙を見ると治ってしまう。
   「おっかぁ、やろう、大きくなったろうな」、「あんたの前に座っているだろ。ご覧よ」、「見ようと思って目を開けると、後から後から涙が出て、それに水っぱなも出て、見えないんだよ」。
  「あっ、動いている。よく来たなぁ。おっかぁは昨日夜っぴて寝てないんだよ」、「それはお前さんだろ」。

 

 落ち着いた所で、亀ちゃんはお湯に出掛けた。
  「おっかぁ。立派になったな。手を付いて挨拶も出来るし、体も大きくなって、手紙も立派に書けるし、着物も帯も履き物もイイ物だ。奥様に可愛がられて居る んだろうな」。「お前さん、サイフの中に小さく折り畳んだ5円札が3枚有るよ」、「子供のサイフを開けてみるなよ」、「15円は多すぎるだろ、なにか悪い 了見でも・・・」、「俺の子供だ、そんな事はない。が、初めての宿りで持てるような金ではないな。帰ってきたら、どやしつけてやる」。
   そこに亀ちゃんが湯から気持ちよさそうに帰ってきた。「そこに座れ。おれは卑しい事はこれっぽっちもした事はねぇ。それなのに、この15円は何だ」、 「やだな~。財布なんか開けて。やる事がげすで、これだから貧乏人はヤダ」、「なんだ、このやろう」と喧嘩になってしまった。
   亀ちゃんが言うには、ペストが流行、店で鼠が出るので、捕まえて警察に持っていくと、銭が貰える。そのうえ、ネズミの懸賞に当たって15円もらった。今日までご主人が預かっていたが、宿りだからと持って帰って喜ばせてやれと、持たせてくれた。その15円だという。

 

   「おっかぁが変な事を言うものだから、変な気持ちになったのだ。懸賞に当たってよかったな~。許してくよ。主人を大事にしなよ。”チュー”(忠)のお陰だから」。

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