透明な歳月の光 477 航空券の安売り合戦
http://ameblo.jp/hanakaidou64/entry-11204973988.html
参考文献 産経新聞 2月29日朝刊 オピニオン
曽野綾子の透明な歳月の光 477 航空券の安売り合戦 より
抜粋してご紹介させていただきます。
航空券の安売り合戦
ひと頃からみると、確かに食料品なのど物価は下がったのを
私もありがたく思っている。しかし日本人の心理の中に、
安ければなりふり構わず突進するという風潮を、誰も制止しようと
しないのも、私は少し気にしている。
安売りに殺到するという心理はいつの時代にもあっただろうが、
「そんなはしたないことをするな」とか「安物買いの銭失いという
こともあるんだ」と教えてくれる親や世間の知恵があった。
しかし今はそんなブレーキもない。
格安運賃で旅行を売る航空会社が雨後のタケノコのように
増えたという。宣伝のために、関西から北海道まで往復500円
という運賃を打ち出したところまであるという。
いやな空気である。安売り合戦が始まったら、必ず機械の点検その他の
基本的な管理に手抜きが出る。輸送機器の場合、それは人間の生死に
関わる事故につながる。そうでなくても、安売り合戦はお互いの首を
絞める自殺行為だ。
ーー中略ーーー
ものごとは基本的な理屈を通さねばならない。いくら経済のシステムは
自由だと言っても、安売りで競えば必ず事故につながる。そしてまともな
運賃を払う他の乗客まで巻き添えにする悲劇が起こることが、
この業界の特徴だ。この基本的価格による料金も払えない乗客は、
旅行をする資格がないのである。
この格安航空会社に関しては外国の会社の方が先に出発していて、
日本はそれに乗り遅れないために、後発で闘っているのだとニュースは報じて
いたが、日本はこういう危険な航空会社の飛行機は、内外を問わず発着を
禁ずるくらいの措置を取れないのかと素人は思う。そんなことをしたら
観光業は痛手をこうむるし、国際間の航空協定というものもあるだろうと
知ってはいるが、国民に、理屈の通らない乞食根性を植えつけるシステムは
願わしくはない。
社会は避けられる事故と避けられない事故がある。
病気の発症の原因に遺伝的要素のあるものは、当人の責任といえない場合も
ある。しかし喫煙は必ず生活習慣病に一役かっているというのが医学の世界の
常識だとしたら、喫煙者の健康保険料は高くしたらいいとの説に、私は賛成だ。
これは避けられる事故に対する責任である。
理屈で説明できないような安物に飛びつく心理は、利己的で社会性がなく、
恥ずかしいものだ、と誰かが公然と言うべきだ。
人はすべて適切な範囲の対価を払う義務を果たして生きるのである。
* この頃、インターネットが他社よりお得ですよ”との電話セールスが
やたら多い。そんなに値下げ合戦をやっていたら 自分の首を絞めるのを
承知で言っているのだろうか?と 疑問符が浮かぶ。
いつも断る。
何処かの会社が倒産すれば それだけ 厚生年金を納めて
呉れる人が減ってしまう。そして年金がさらに減る。。
風が吹けば桶屋が儲かる”
この反対の方式が 頭の中で 成り立つ。
少子化問題の根源が ここにあることを誰も知ろうとはしない。。
むずかしいことを考えるのはやめよう。。
節約しながら、スーパーに行っても目玉商品だけではなく
必ず 正規の価格で売っているものも織り交ぜて買う。
それで凸凹が平均になり、その店は存続していけるのである。
店存続は 従業員の存続でもある。。
世の中とは 持ちつ 持たれつ” が一番良い
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